輸入住宅を購入するにあたり、加入を検討しておきたい保険の種類をご紹介しています。いずれの保険契約にも保険料は掛かるものの、万が一の事態が発生した際、保険は大変心強いもの。火災、自然災害、病気、怪我などが生じても家族が安心して暮らしていけるよう、住宅購入の際には各種保険への加入を検討しておきましょう。
住宅を購入したにも関わらず、火災などで焼失すれば、家族の済む場所は失われます。また、住宅ローンの返済中に契約者が死亡・病気等で働けなくなれば、家族全員が路頭に迷う恐れもあります。
輸入住宅を購入する際には、様々な不測の事態に備え、以下でご紹介する保険への加入を検討してみましょう。
火災保険とは、「建物」に生じた様々な損害を補償する保険です。
補償範囲は契約内容により異なりますが、火災による焼失等で生じた損害だけではなく、自然災害による損壊などで生じた損害なども幅広く補償対象となります。一般的には、次のような原因で「建物」に生じた損害を補償します。
これらのような原因により「建物」に生じた損害については、火災保険に加入していれば補償対象となります。
ただし、同様の理由によって「建物」ではなく「家財」に損害が生じた場合、建物のみを対象とした火災保険では家財の損害が補償されません。家財とは、家具や家電製品、食器など、主に建物の中で使用している生活用の動産です。 家財の損害を補償対象としたい場合には、火災保険とは別途で(またはセットで)、後述する家財保険も契約する必要があります。
火災によって建物等に損害が発生したとしても、火災の原因が「地震・噴火」の場合、火災保険の補償対象とはなりません。地震や噴火が原因で生じた損害は、火災保険ではなく、別途で契約する地震保険の補償対象となります。
補償範囲は地震の揺れや、地震による津波、噴火などを原因とした建物・家財の損害。損害のレベルが「一部損」「小半損」「大半損」「全損」に分けられ、「一部損」の場合は契約金額の5%、「小半損」の場合は契約金額の30%、「大半損」の場合は契約金額の60%、「全損」の場合は契約金額の100%が保険金として支払われます。「一部損」に至らない軽微な損害や、門・塀・垣のみの損害の場合には補償対象になりません。
なお、地震保険は火災保険に上乗せして加入するタイプの保険となるため、地震保険を契約する場合には、その土台となる火災保険を契約する必要があります。地震保険のみ単独で契約することはできません。
家財保険とは、主に建物の中で使用する生活用動産の総称です。
建物のみを対象にする火災保険に加入している場合、万が一、家が火災等で損害を被ったとしても、建物部分の損害しか補償されません。火災で家具やテレビなどの生活用動産(家財)が失われたとしても、その損害は補償されないことになります。これら生活用動産(家財)に生じた損害も補償対象とするためには、家財保険に加入していなければなりません。
家財保険の補償範囲は、概ね、火災保険が対象としている同様の原因によって家財に生じた損害。例えば火災、破裂・爆発、落雷、風災・雹災・雪災、水災、水濡れなどを原因に、家具やテレビ、ベッド、パソコンなどに損害が生じれば、その損害が補償されます。建物の中で使うものではありませんが、自転車や原動機付自転車なども、一般的には家財保険の補償範囲となっています。
なお、家財保険で補償してほしい対象の中に「1個30万円」を超える家財が含まれている場合、契約時にこれを申告して保険証券に明記しなければ補償の対象にならないことが一般的なので注意が必要です。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が死亡したり高度障害を負ったりなどして返済が困難になった際、契約者に代わって住宅ローンの残債を支払ってもらえる保険です。略して団信(だんしん)と言います。
例えば、世帯主たるご主人が住宅ローンを契約して家を建て、家族みんなでその家に暮らしていたところ、ご主人が病気や怪我で亡くなった場合、以後は住宅ローンの返済が困難となり残された家族は路頭に迷うかもしれません。契約者に万が一のことがあっても、引き続き同じ家で家族が安心して暮らしていけるよう補償する保険が団体信用生命保険(団信)です。
なお、金融機関が提供している住宅ローンのほとんどは、団体信用生命保険への加入が住宅ローン契約条件の1つ。保険料は月々の金利に上乗せされる形です。
また、フラット35は団体信用生命保険への加入が必須条件とはなっていませんが、万が一の事態に備えたい方は、別途で保険料(月々数千円)を支払うことにより団体信用生命保険に加入することが可能です。
就業不能保険とは、病気や怪我などで働けない状態になったときに、月々一定額の保険金を受給できる保険商品。生命保険の一種という位置づけになります。
一般的な保険には「がん」「介護」などの決まった条件が付けられていますが、就業不能保険では決まった条件が付けられているわけではありません。例えば「病気や怪我の治療で通院しているため働けない」「医師の指示のもと、自宅で病気や怪我の治療を行っているため働けない」などの状況が証明できれば、月々一定額(10万円など)の保険金を受給できる形になります。
住宅ローンを返済中に働けない状態となった際、団信のみではカバーできない部分が生じることもあります。そのような事態への備えとして、就業不能保険は大変重宝される保険となるでしょう。
なお、一般的に就業不能保険は精神疾患を保証対象外としている点にご注意ください。
住宅総合保険とは、簡単に言えば「火災保険の保証範囲を広げた保険」です。 一般的な火災保険の補償範囲は「火災、破裂・爆発、風災・雹災・雪災」によって生じた損害ですが、住宅総合保険では、これらに加えて次のような原因で生じた損害も補償範囲となります。
住宅総合保険の契約に際しては、補償対象を「建物」と「家財」に分けて、それぞれで保険料を設定します。
なお、住宅総合保険の中には地震保険が付帯していません。地震保険にも加入する場合には、別途で(またはセットで)加入する必要があります。
住宅購入には大きなコストが掛かるため、中には「なるべく保険は節約したい」と考える方もいるでしょう。
確かに、損害保険や生命保険はランニングコストとなって掛かり続けるため、できれば節約したいという気持ちは理解できます。しかしながら、せっかく夢のマイホームを手に入れたにも関わらず、「もし火災や自然災害で家を失ったらどうしよう?」「もし住宅ローンの返済中に働けなくなったらどうしよう?」などの不安を抱えながら暮らしていくことは、あまり理想的ではありません。
ご自身の状況や家族構成、その他の様々な環境を考慮のうえ、世帯ごとに合った適切な保険に加入するようおすすめします。